業者を選ぶ基準は?
業者を選ぶ際は何を基準にするといいのでしょうか?
それはやはり一にも二にも「料金」という方が多いのではないかと思います。
ここでは料金を含め重要と思われる3つの基準について見ていきたいと思います。
その1 料 金
まず料金。でも料金がわかりにくい…
いいモノをより安く買いたい。これは誰にでも共通する心理かと思います。
ですが、清掃を依頼する場合難しいのが、「高いのか安いのかがいまいち分からない」という点です。
清掃や掃除と一言でいっても、どこまでの範囲を清掃するのか、どのレベルまでキレイに仕上げるのかについての基準がありません。
ビルやマンション、商業施設の場合はなおさらで、清掃の範囲が広いほど料金体系が不明瞭になる傾向があります。
これがエアコンクリーニングの場合であれば、少しネットを検索すれば相場がつかめます。
ですが、日常清掃や定期清掃となると、各清掃業者のサイトに載っている料金についての情報は「現地見積り」という場合がほとんどで、現地見積りに対応するいくつかの業者の中から(つまり限定された業者の中から)、ひとつを選ぶことになります。
ひとつの傾向ですが、専門業者ほど「単価が安い」傾向にあるといえる部分はあります。
エアコンクリーニングを依頼する場合は、エアコン清掃専門業者のほうが安い傾向にありますし、定期清掃もやはり同じことがいえます。
専門業者の場合、業務に精通していますから、同じ作業でもより短時間で行うことができ、使用する資器材・洗剤などもすでにあるものを使えますからその点でのコストパフォーマンスにも優れ、結果、提供単価を下げることができます。
専門業者でない場合、業務の内容を見通すことができずその部分の懸念を抱えていることから、「念のため少し単価を高めにしておく」といった判断がなされる場合があります。
また、物件や清掃案件に近い業者ほど「単価が安い」という傾向もあります。
移動時間も当然人件費が発生しますから、遠い業者に依頼した場合、移動コストが単価にオンされることを見込んでおく必要があります。
その2 業者の所在地
近くの業者であるかどうか
料金とはまた別の意味で、遠い場所にある業者に依頼するよりは近くの業者に依頼するメリットがあります。
それは日常清掃や定期清掃の場合、時によっては緊急対応やアフター対応が必要になることがあるからです。
例えば、建物のあるところで漏水が発生している、などといった事態が生じたとき、近くの業者であればいち早い対応が期待できます。
また近い場所にある業者であれば、当然地域での自社の評判を気にしますので、不適切な対応やずさんな対応が起こりにくいと想定できます。
業者側の心理としても、「なるべく狭いエリアで効率的に動きたい」という気持ちが働きますので、同地域の顧客・案件を重要視する傾向があります。
その3 専門性
専門業者であるかどうか
当然といえるかもしれませんが、専門業者であるほど業務に精通しています。
専門業者であれば信用できる、というわけではありませんが、「専門でい続けることができている」ということは一定のレベルをクリアする技術力・サービス力を保持している、と判断することができます。
清掃や掃除といってもその範囲は結構広いものです。
「清掃ならなんでもお任せください」という業者を選ぶよりも、定期清掃・日常清掃を専門に行っている業者を選ぶほうが品質面でもコスト面でもメリットがあると考えられます。
専門家ならではの経験知が、施設管理をしていく上で優位に働く局面もあるはずです。
■業者選びのよくある失敗事例
営業担当者との約束が現場に伝わっていない
営業担当者自身が現場に立って清掃業務を行うことは稀です。
営業は営業、現場は現場で業務を分担している場合がほとんどですが、よくあるのが、「依頼者の意向・希望が現場に伝わっていない」ということ。
「見積り時に営業担当者に伝えたはずなのにその部分の作業がなされていない…」といった状況です。
一度や二度ならまだしも、同じようなことが改善されずにずっと続くとなると困ってしまいます。
「現場の人は一生懸命やってくれていいのだけれど、パイプ役となる担当者がどうもよくない…」
残念ながら、これは清掃業界ではよくある状況です。
営業担当者と現場担当者間のコミュニケーション不足のみならず、もっと困ってしまうのが、「業者間でのコミュニケーション不足」です。
清掃業界でも受注会社とサービス実施会社が異なるのはよくあること。
いわゆる元請け・二次請けの関係です。
元請け会社に伝えたはずの重要情報が二次請けのサービス実施会社に伝わっていない…。
元請け会社の担当者は対応もよく清潔感があっていいのだけれど、現場の人たちの態度やマナーに問題がある…。
三次請け、四次請けといった多重構造になっている場合も清掃業界では少なくありませんが、こうなるとコミュニケーションの問題がさらに深刻になります
作業が雑だった。マナーが悪い。報告もない
「清掃の専門業者でホームページにも『プロの清掃』といった謳い文句があったので安心して依頼した。業歴も長い会社だった。けれども実際の作業は…。
これも残念ながらよくあることです。
プロというには仕事が雑すぎる。自分でやったほうがまだ良かった…。
仕事が丁寧で職人のようなこだわりがある。けれどもこちらの希望が伝わらない…。
作業が終了したのかどうなのか。待っていても一向に報告がない…。
改善を希望しても「これ以上無理です。作業範囲外です」の一点張り…。
車の停め方や作業員のマナーに問題がある。挨拶もまったくない…。
清掃会社としても努力していることですが、慢性的な人手不足、単価安などによりスタッフの教育・育成に十分な力を注げていないという業界の現状があります。
「仕事はある。でもやる人がいない。今の人員で昼も夜も稼働するしかない…」
こういった会社も少なくありません。
教育する時間も余裕もなく、新人スタッフを入社早々現場に投入。「やっつけ仕事」と言われようが、とにかくやらないことには仕方がない…。
このような状態が慢性化している業者だとすれば、「いい仕事」はなかなか期待できません。
依頼する前からいい業者かどうかを見極めるのは簡単ではありません。
「ダメでもともと」という考えをベースに、複数件の業者を試した上で選考するのもひとつかもしれません。